LGBT本紹介

LGBTのこと分かった気になってませんか?【8つのチェックリスト付き】

LGBTとハラスメント

『LGBT』という言葉が、L:レズビアン・G:ゲイ・B:バイセクシュアル、T:トランスジェンダーの略であり、

セクシュアルマイノリティの総称として使われていることを知っている方が増えてきました。

それとともに、自治体によっては同性パートナーシップ宣誓制度を導入したり、就職活動で使われている履歴書の性別欄が廃止されるなど、LGBT当事者への配慮が広くおこなわれています

この記事を読んでいるあなたも、LGBTのことを理解し、LGBT当事者に何かできないかという気持ちでいると思います。

しかしその一方で、具体的にどんなことをすれば良いのかわからなかったり、自分がしていることが当事者を傷つけていないか不安だったりしませんか?

『LGBTとハラスメント』の筆者もこのように言っています。

おそらく、今の時代、セクシュアルマイノリティを”わざわざ差別したい”と思う人は少数派になりつつあると思います。

しかしそうであっても、残念ながら差別やハラスメントは無意識のうちに本人の悪気なくおこなわれてしまうことが往々にしてあります。

『LGBTとハラスメント』はじめに

では、どうすれば無意識の差別やハラスメントを防げるのか?

そのためにはLGBTという言葉の理解だけでわかった”つもり”にならず、LGBTへの間違ったイメージを取り除くことが必要ではないでしょうか。

今回は、『LGBTとハラスメント』の中から、第二章『「LGBT」へのよくある勘違い-一見ポジティブ編』を取り上げて紹介していきます。

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LGBTのこと、わかった”つもり”になっていないか?『8つのチェックリスト』

LGBTについてポジティブにとらえていたとしても、本当の意味でLGBTに対して配慮できているとは限りません。

多様な性の在り方、多様な価値観がある中で、一つのイメージに囚われてしまわないよう、こちらの8つの項目に当てはまらないか、あなたの日々の言動・考え方を思い返しながら読み進めてみてください。

  1. 「何がNGワードか」だけを気にする
  2. 「両方の気持ちがわかる」と思う
  3. 「自分は特に気にしないから」と暴露してしまう
  4. 「私は気にしない」が「差別しない」だと思ってしまう
  5. 「私はLGBTの友人がいるから理解がある」と思い込む
  6. 過剰に「理解しているよ」「大変だったね」とねぎらう
  7. 制服の問題がトランスジェンダーだけの問題だと思う
  8. 「LGBT施策」が当事者全員に支持されると思う

「何がNGワードか」だけを気にする

LGBT当事者が傷つくことの多いNGワードは確かにあります。

実際に、以下のような言葉は差別的・侮蔑的な使われ方をしてきたため、本人が自称していたとしても、他人であるあなたが使う際には注意が必要です。

  • ホモ
  • レズ
  • おかま
  • おなべ
  • おとこおんな

でも、これらのNGワードを回避すればいいわけではありません。

差別的な言葉を使わなかったとしても、ニュアンスによっては差別的だと感じることもあるからです。

ひと昔前までは「まさかお前ホモじゃないだろうな」と言った侮蔑的なニュアンスの”疑惑”をかけられることがありましたが、それと同じ内容で「まさかお前LGBTじゃないだろうな」と言われた場合、LGBTという言葉は適切でも、そこに含まれているニュアンスは「ホモ」と同じになってしまいます。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

とはいえ、どんな言動がNGなのかばかり気になりすぎて、LGBT当事者と何も話せなくなってしまうのはよくないですよね。

相手を傷つけてしまうのではないかと過剰に気にするのではなく、ひとりの人間として、相手を尊重してコミュニケーションをとることを心がけ、間違った言葉遣いをしてしまったら、指摘してもらえるような関係を築くと良いのではないでしょうか。

「両方の気持ちがわかる」と思う

ゲイやトランスジェンダーのイメージの一つに、「両方の気持ちがわかる」というものがありますが、それは誤りです。

確かに、テレビドラマなどでゲイが女性の良き相談役として描かれたりしますが、筆者はこのように主張しています。

確かに「多数派ではない」という経験から、シスジェンダー・ヘテロセクシュアルの人とは異なる視点を持つことがあるとは言えなくもないかもしれませんが、それはゲイ特有というより個人の持つ経験などの要因が大きいのではないかと考えられます。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

※シスジェンダー:生まれた時に割り当てられた性別と自認する性別が一致している人。
※ヘテロセクシュアル:
性的指向が異性に向く人。異性愛者。

実際に、この記事を書いているdeideiはトランスジェンダー(女性から男性に性別変更)ですが、女性の気持ちを理解することが難しいときはあります。

もちろん、学生の時は女性として周囲の人とかかわる中で女性の悩みを聞く機会が多かったため、女性の気持ちの一部を知っていますが、すべてに共感できるわけではありません。

LGBTに対する偏ったイメージは、実はメディアなどでつくられたイメージです

実際に、多くのLGBT当事者と知り合うことによって、いろんなセクシュアリティの人がいること、同じセクシュアリティであっても人それぞれ違うことがわかるのではないでしょうか。

「自分は特に気にしないから」と暴露してしまう

あなた自身はLGBTに対して理解があるとしても、あなたが他の人に誰かのセクシュアリティを話すときは注意が必要です。

なぜかというと、伝えた相手がLGBTに対して理解があるとは限らないから。

例えば、同僚からカミングアウトされた人が「良かれと思って」職場の他の同僚やその人の上司にも「あの人、実はレズビアンなんだって」と伝えたとします。その中に実はセクシュアルマイノリティに対して差別的な感情を持つ人がいた場合、その瞬間から当事者にとって自分のいる職場が「安全」ではない場所に変わってしまう可能性があるのです。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

もちろん、他の人にセクシュアルマイノリティであることを伝えても、いじめやハラスメントにつながらない世の中になればいいのですが、現状は必ずしもそうなるわけではありません。

「自分は特に気にしないから」と思っていても、他の人に伝える前に、本人に確認するようにしましょう

「私は気にしない」が「差別しない」だと思ってしまう

何も気にしない、差別しないと思っていても、LGBT当事者には様々な困難があり、それらが解消するわけではありません

『LGBTとハラスメント』の著者はこのように主張しています。

「何も気にしない」「差別していないからそのままでいい」、もっといえば「人と違ってもいいじゃない」ということ「だけ」をあえて言われてしまうと、「この大変さを放置したままで良い」とも受け止められ得るのです。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

日常会話一つにしても、LGBTであることを知られないように気を遣ったり、LGBTだからという理由で採用を拒否されたり、いじめやハラスメントがあったりなど、「多様である」の一言では済まされない困難が日常的にあるのです。

「私は気にしない」から何もしないのではなく、身近にいる人に対してできることをすることで、お互いに心地よい関係を築けるのではないでしょうか。

「私はLGBTの友人がいるから理解がある」と思い込む

LGBTであることを伝えられた時に「私はLGBTの友達がいる」ということで、「私は理解があるよ」と伝えようとしているのだと思いますが、『LGBTの友達がいる=理解がある』とは言えません

あなたが知っているLGBTの当事者以外にも、様々な性のあり方が存在しており、同じセクシュアリティでも、人によって考え方が違うからです、

LGBTだけにとどまらず広くとらえると、

私(松岡)には多くの異性愛者の友人がいますが、だからといって「異性愛者」のことを理解しているとはいえません。同様に、「外国人」の友人がいるからといって「外国人」を理解しているとはいえないでしょう。外国人の中にもさまざまな国の、さまざまなバックグラウンドを持った人がいるからです。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

そのため、あなたが身近な人にカミングアウトされた時に「LGBTの友達がいるから理解がある」と伝えるのではなく、あなたの性の在り方を尊重していますという伝え方に変えてみてはどうでしょうか。

過剰に「理解しているよ」「大変だったね」とねぎらう

LGBTだからといって、全員が悪質ないじめを受けたり、偏見によって大変な人生を送ってきたわけではありません。

ドラマやニュースで取り上げられているLGBTのイメージから「腫れ物」扱いされることに違和感を持つ人もいます

あるゲイの当事者は、友人にカミングアウトした時、過剰に「大変だったね、絶対誰にも言わないからね」と言われたことに違和感を覚えたと話します。彼はセクシュアリティを理由に苦しんだとは思っておらず、セクシュアルマイノリティについてもオープンにはしていなかったけれど、隠していたわけでもないそうです。そのため、この反応に違和感を覚えたと語りました。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

LGBTの当事者が置かれている状況を知ってその人を安心させようという気持ちは素晴らしいです。

しかし、カミングアウトを受けた際には、かわいそうな人だと決めつけずに、どんな考え方なのか、どんな経験をしてきたのか、その人自身の価値観をフラットな立場で聞くように心がけましょう。

制服の問題がトランスジェンダーだけの問題だと思う

近年、学校では制服選択の自由化が広まっており、制服に選択肢を設ける都道府県立高は少なくとも19都道県の600校超に上っています。

このようなニュースでは、「LGBTへの配慮」という言葉が添えられることが多いですが、なにもLGBTに対して特別に配慮しているわけではありません

『LGBTとハラスメント』の筆者はそう主張しています。

自分がどのような制服を着たいかというのは「性表現」の問題です。例えば、シスジェンダーの女子生徒でも、冬はスカートだと寒いからスラックススタイルの制服がいいと思う人もいるでしょう。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

※性表現:社会的にどのような性別の表現をおこなっているか(一人称、服装など)

実際に、LGBTへの配慮をきっかけとして、制服選択導入を検討し始める場合もありますが、

本来はどんな性自認の人であっても、すべての人が学習や仕事に集中しやすい環境づくりとして、自分らしいスタイルの制服を選択できるようにするべきではないでしょうか。

「LGBT施策」が当事者全員に支持されると思う

同性パートナーにも結婚休暇などの福利厚生を認めたり、差別禁止規定を設けたりするなどの「LGBT施策」を設ける企業が増えてきました。

しかし、施策を導入しても、すべてのLGBT当事者が歓迎するわけではありません

これまで職場でハラスメントをうけて困っている人もいれば、特に困っていないという人もいたりと、LGBT当事者でも置かれている環境や価値観が違います。

LGBT施策を導入することによって逆に不利益を受けてしまうのではと考える人もいます。

ただ、このように施策の対象者の価値感が異なるのは、LGBT施策に限った話ではありません

例えば他の分野の施策でも子育て世代だからといって、育児休業や短時間勤務などの制度を使わない、興味がない人だっているはずです。その方の環境が整っているから、パートナーとの分業がうまくいっているから、あるいは制度を利用すると実質キャリアに響くと考えている人、その理由は背景はさまざまでしょう。だからといって、そうした制度がいらない、ということにはなりません。

『LGBTとハラスメント』第二章「LGBT」へのよくある勘違いー一見ポジティブ編

LGBT施策がすべての当事者に歓迎されていなくても、困っている当事者がいることは事実です。

どんな性的指向や性自認を持つ人であっても安心して働ける職場環境を整備するためにLGBT施策を推進していく必要はあるのではないでしょうか。

今回紹介した本の基本情報

「なに男同士でくっついてんだよ、気持ち悪いな~、”ホモ”かよ(笑)」

~ (中略) ~

実はこうしたハラスメントが、もう法的に”してはいけないこと”になりつつあるのはご存じでしょうか。

『LGBTとハラスメント』はじめに

すべての企業や学校、自治体等の職場にパワーハラスメント防止義務を課す「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」で、『SOGIハラ』と『アウティング』もパワーハラスメントとして防止対策を講ずることが義務付けれらました
(大企業・地方自治体では2020年6月から、中小企業では2022年4月から義務化)

今回紹介した『LGBTとハラスメント』では、義務化になった『SOGIハラ』・『アウティング』とはどんなのものなのか、現在のセクシュアルマイノリティを取り巻く状況、パワハラ防止法と企業に求められる具体的な対策などについて、詳しく解説されています。

※SOGIハラ:相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を行うこと
※アウティング:本人の性の在り方(性的指向・性自認に関すること)を本人の了解を得ずに第三者に暴露すること

<著者情報>

神谷悠一:
全国約100のLGBTの当事者・支援者団体の連合体連合会(LGBT法連合会)の事務局長。
SOGIハラやアウティング対応も含めた活動の傍ら、多くの企業などで職場施策の研修やアドバイスをおこなっている。

松岡宗嗣:
ゲイをオープンにしており、ライターとしてこれまで法律や政策、ビジネスなど、セクシュアルマイノリティに関する様々な記事を執筆。
教育機関や企業などでも研修や講演を行っている。

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LGBTとハラスメントは
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ABOUT ME
deidei
ひっそり埋没しながら暮らしているFTM(女→男に戸籍変更済み)です。 女性として地方で生活→就職のため都会へ→現在は、男性サラリーマン街道邁進中!(7年目) 環境を変えることで、少しずつ、自分らしく生きれるようになりました。 FTMとして生活する中で学んだことや自分自身の経験を、わかりやすく発信していきます。