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トランスジェンダーが病院で困ること【病院関係者向け】

トランスジェンダー 病院

LGBTって最近よく聞くけど、その中でもトランスジェンダーの人が病院に通う時に困ることとかあるのかな?

【deidei】

その疑問、トランスジェンダー(FtM)のdeideiがお答えします!

※FtM:”女性”として生まれたが自認する性別は”男性”のトランスジェンダーのこと。Female to Maleの略。

この記事を書いている私は、下記のように”女性”から”男性”へ性別をおこなっています。

小学生:自身の性別への違和感に気づく

高校生:トランスジェンダーとして生きると決意

大学生:性別変更に向けて治療開始

社会人:戸籍の性別変更完了(女性→男性)

現在 :性別変更後2年経過

トランスジェンダーとして生きることを決意した高校生の頃から、病院はとても苦手でした。
いつも変な目で見られないかとビクビクしたり、「またトランスジェンダーだと言わないといけないのか」と気持ちが落ち込んでしまったり。
病院へはほとんど行かないようにしていました。

そんな経験などを踏まえて、トランスジェンダーが病院で困ってることをご紹介していきます!

病院の診察で困ってること

病院に診察を受けに行くときに困ること・不安なことは大きく3つ。

  • 戸籍上の性別が他の患者に知られないか
  • トランスジェンダーに対する偏見はないか
  • 医師や看護師に対しても身体を見られないか

それぞれ、詳しく紹介していきます。

戸籍上の性別が他の患者に知られないか

【deidei】

まず病院で診察するときに必要なのが、病院が発行している診察券

通常は保険証や問診票に記載している内容から、診察券が作られますよね。

そのため、トランスジェンダーは見た目の性別と保険証に記載されている性別や名前が一致しないことがあります。

できる限り性別や名前を知られたくないトランスジェンダーの中には、病院の診察券の記載内容を、自認する性別や通称名にしてほしいと思っている方もいます。

対策としては、患者の希望に合わせて自認する性別・通称名を診察券に記載することです。

実際に対応している病院もあります。

性同一性障害の診断をおこなっている岡山大学病院では、本人が申請すれば、自認する性別、通称名を診察券に記載できるようになっています。

ただし、病院の管理システムによっては、すぐに対応できない場合もあるかもしれません。

※通称名:戸籍上の名前ではないが、日常生活で使っている名前のこと。トランスジェンダーの場合、名前から想像される性別と見た目の性別が異なることがあるので、身分証明が必要ない場面では通称名を使うことがある。最近では、保険証にも通称名記載が認められるようになっている。

また、診察室に呼ばれる時も他の患者に戸籍上の性別を知られてしまう恐れがあります。

フルネーム・名字のみ・番号など、患者の呼び方は病院によって様々ですが、その中でも、フルネームで呼ばれてしまうのが嫌な人もいます

診察券と同様に、名前から想像される性別のイメージと見た目の性別が一致しないために、周りの患者から注目される可能性があるからです。

【deidei】

実際、私も変更前の女性的な名前で呼ばれ、待合室に居づらいと感じたことがあります。

診察室に呼ぶ時は、できる限り名字だけ番号で呼ぶようにすると、トランスジェンダーの患者の精神的負担が軽くなります。

患者数が多い病院など、同じ名字の患者がいる場合は、通称名の使用も検討してみてください。

トランスジェンダーに対する偏見はないか

病院で診察してもらう以上、自分の出生時の性別や継続中のホルモン治療について隠しておくわけにはいきません。

医師や看護師、受付係の方にはトランスジェンダーであると伝えることも多いと思います。

その際に、偏見のある対応をされないか、好奇の目にさらされないか不安になる方もいます

【deidei】

私が好奇の目にさらされていると感じたのは、受付でトランスジェンダーであることを伝えて待合室で待っていたら、受付にいる数名で何か話しながらこちらを見ていた時。

まだ手術を受けていない頃だったので、常に周りの視線が気になっていました。

そんな時に好奇の目にさらされていると感じると、すぐに逃げ帰りたくなってしまいます。

そうならないために、トランスジェンダーであるとを伝えられても、できるだけ他の患者と同様に接すると良いと思います。

さらに、トランスジェンダーの中には、ホルモン治療をしている方もいます。

その過程で、声変わり中のような声になったり、見た目の印象と違う声になったりします。

このような患者に会ったときにびっくりしないでいるだけでも、精神的な負担が軽くなります。

※ホルモン治療:自認する性別に近づけるために、ホルモン剤を注射などで投与する治療のこと

医師や看護師に対しても身体を見られないか

【deidei】

トランスジェンダーは、身体の性別と自認している性別が違うので、身体を人に見られることが嫌な方もいます

自分の身体を見ることさえも苦痛に感じる方もいるほどです。

とはいえ、患者側も診察を受ける以上は、聴診器を使う際に服をたくし上げることはわかってます。

できる限り服をたくし上げないなど、本人の意思を確認しながら対応してもらると、安心するのではないでしょうか。

入院するときに困ってること

先ほどまでは診察を受ける時の困りごとでしたが、ここでは入院するときに困ってること・不安なことを4つ紹介します。

  • 個人情報(氏名・性別)の管理
  • 入院時の部屋
  • 共用スペースの利用
  • ホルモン治療が継続できるか

個人情報(氏名・性別)の管理

【deidei】

自認している性別とは合わない名前がどこで使われるかは、とても気になります。

入院中は、ベッドやリストバンド、病室の入り口付近に戸籍の名前(と性別)を記載しますよね。

入院患者の管理などに必要なので、なくすことはできないですが、可能な限り病院関係者以外の人に見られないように配慮が必要になるかもしれません。

例えば、

  • ベッドにつけている患者情報にタオルをかける
  • リストバンドは長袖の服で隠す
  • 病室前のプレートはそもそも表示しないor名字だけ表示する

など、簡単にできるものから対応していただけると良いと思います。

入院時の部屋

【deidei】

未治療または性別移行中のトランスジェンダーの場合、男性・女性のどちらの大部屋に入院するのかは大きな問題です。

大部屋では、常に他の患者さんや面会に来た方などの目があります。

本人の意思や見た目がどちらの性別に近いかなどを確認しながら、男性・女性のどちらに入院してもらうか決めると良いんじゃないでしょうか。

本人は自認している性別の大部屋を希望していても、他の患者の動揺を避けるために戸籍上の性別で入院してもらいたい場面も出てくるかもしれません。

その際は、本人に状況を説明した上で、個室での入院も検討してみてください。

※未治療:ホルモン治療、性別適合手術を受けていない状態
※性別移行中:ホルモン治療などをおこなって、自認する性別に近づき始めている状態

共用スペースの利用

【deidei】

共用スペースを使う時に困るのは、主にトイレや風呂です。

病室と同様に、本人の意思を確認しながら、男性・女性のどちらを使ってもらうか検討すると良いと思います。

中には男性・女性のどちらのトイレも入りにくいという方もいますので、多目的トイレ(オールジェンダートイレ)などがあれば、その場所を教えてもらえると嬉しいです。

また、介助が必要な場合も、男性・女性のどちらに介助してもらいたいかを確認してもらえると安心するんじゃないでしょうか。

ホルモン治療が継続できるか

トランスジェンダーの中には、ホルモン治療を継続している場合があります

【deidei】

私の場合は、3週間に1回の頻度で男性ホルモン剤を注射しています。

そのため、3週間以上の長期入院になるとホルモン注射ができず、体内の男性ホルモンが減ってしまうんじゃないかと心配になります。

ホルモン治療を長期間止めていると、更年期障害の症状が出るなどの影響があるそうです。

入院前にホルモン治療の有無、頻度・薬剤名などを確認して、入院中も継続できるのか検討しておく必要があります。

その他に気になること

【deidei】

診察を受ける時・入院する時以外にも心配なことがあります。
それは、結婚していないパートナーでも親族と同様の対応をしてもらえるかです。

すべてのトランスジェンダーが戸籍の性別変更しているわけではないですし、性的指向(恋愛対象など)が同性に向いている場合もあります。

そのため、パートナーは結婚はしていないけど同居している(または付き合いが長い)など家族同然の存在であるかもしれません。

家族同然であれば、病院での診断や手術の説明を受ける際は同席してほしい。一緒に聞くことで安心できる場合もあります。

患者の意思を尊重し、パートナーも同席できるようにしてもらいたいです。

また、自治体によってはパートナーシップ宣誓制度などを設けて、戸籍上は同性同士であっても婚姻と同等の関係であることを認めて、証明書を発行しています。

もし患者が危篤状態であっても、パートナーシップを認められていることが家族同然の関係であることの証明になります。

まとめ

ということで今回は以上です。

トランスジェンダーが病院で困ることをまとめると、下記の通りです。

病院の診察で困ってること

  • 戸籍上の性別が他の患者に知られないか
  • トランスジェンダーに対する偏見はないか
  • 医師や看護師に対しても身体を見られないか

入院するときに困ってること

  • 個人情報(氏名・性別)の管理
  • 入院時の部屋
  • 共用スペースの利用
  • ホルモン治療が継続できるか

その他に気になること

  • 結婚していないパートナーでも親族と同様の対応をしてもらえるか

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医療従事者として、より良いサポートをしていきたい方はぜひ読んでみてください。

【deidei】

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ABOUT ME
deidei
ひっそり埋没しながら暮らしているFTM(女→男に戸籍変更済み)です。 女性として地方で生活→就職のため都会へ→現在は、男性サラリーマン街道邁進中!(7年目) 環境を変えることで、少しずつ、自分らしく生きれるようになりました。 FTMとして生活する中で学んだことや自分自身の経験を、わかりやすく発信していきます。